診療科目・その他

整形外科

整形外科診療は運動器の疾患・外傷を診断し、治療することであり、治療の対象は脊椎脊髄障害、関節障害、骨軟部腫瘍、手足の障害など多岐に分かれています。
当院で日常よく治療している疾患について簡単に説明します。

1)脊椎脊髄障害

(1)腰痛性疾患

日常診療の中で最も多く見られる疾患です。

腰椎椎間板ヘルニア

青壮年者にみられる事が多く腰痛、下肢のしびれ・痛みが生じます。MRIを行うことで診断できます。治療はまずは薬物療法が中心になります。ガイドラインに沿ってNSAIDs(ロキソニンなど)やアセトアミノフェン(カロナールなど)を処方しますが、痛みが強い場合にはプレガバリン(リリカ)やトラマドール(トラムセット、トラマール)などを併用して鎮痛効果を高めるようにしています。コルセット、生活指導を行って経過を見ますが痛みが軽減しない場合や麻痺が進行する場合は手術治療を行います。通常は3cmの小切開で鏡視下椎間板摘出術を行っています。2週間で退院、社会復帰できます。

腰部脊柱管狭窄症

高齢者に見られることが多く腰痛、下肢のしびれ痛みが生じます。長く立っていたり,歩いたりすると症状が強くなり座って休むと軽くなる特徴があります。 静かに生活すれば症状は我慢できることが多いために診断が遅れることがあるので注意が必要です。薬物療法、生活指導で症状の進行を遅らせることはできますが、足のしびれが24時間続くようになったり、間欠性跛行が200mを下回るようであれば手術が必要になります。通常は3cmの皮膚切開で片側椎弓開窓・両側除圧術を行うことで治療でき、2週間で退院、社会復帰できます。 逆に症状を重くしてしまうと治りが悪くなる傾向があります。
 

(2)骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折

軽微な外傷で起こることが多く、またいつのまにか骨折で生じることもあります。強い腰痛のために寝返りも困難な人から寝起きの時に腰痛があるが普段は痛みを強く訴えない人まで差があります。レントゲン検査をするたびに背骨のつぶれ方がひどくなり脊柱変形が進行します。通常はベッド上安静とコルセット作成を行い徐々にリハビリを勧める治療が行われますが、骨折の程度や治療経過によってはBKPといって風船を膨らませることでつぶれた背骨を元の形にもどしてセメントを注入する方法を行います。適切な治療を怠ると骨折が治らないばかりか、下肢麻痺で歩行困難になる場合もあるので注意が必要です。
当院ブログに 「BKP/経皮的椎体形成術(骨セメント療法)」についての記事がありますのでご一読ください。
 

(3)頚椎症性脊髄症

頚椎の老化現象により脊柱管狭窄が進行して脊髄を圧迫するために手足のしびれが生じたり、手指の動きが不自由になったり、歩きづらくなったりします。 痛みが辛い病気ではありませんので我慢しているうちに重症化する人が少なくありません。10秒テスト(10秒間に手を握ったり開いたりが20回以上できない)が目安になりますので、気になる人は頚椎のMRI検査を受けるようにしましょう。

2)関節障害

関節障害のうち最も多いのは荷重関節である膝関節と股関節です。

(1)変形性膝関節症

階段昇降や立ち上がり動作で痛みを感じるようになり、徐々に平地歩行でも痛みを感じるようになり,歩行距離が短くなります。外来治療で下肢筋力増強運動やストレッチなどのリハビリ、薬物療法やヒアルロン酸関節内注射などを行います。とくに大腿四頭筋の強化が重要で30回ワンセットを1日3回行うようにします。レントゲン検査で関節裂隙が狭小化し、変形が進行する場合には日常生活に支障があるようであれば人工関節置換術を行ないます。痛みなく歩行できるようになり、日常を楽しむことは健康寿命を延ばすことに繋がります。

(2)変形性股関節症

足の付け根部分に痛みが生じ、立ち上がり動作や歩き始めに痛みを感じます。 進行すると痛みが続くようになり、寝ていても痛むようになります。靴下が履きにくくなったり、足の爪切りがやりにくくなったり、しゃがむのが辛くなり入浴や台所仕事に支障を来します。レントゲン検査で関節の変形を調べることで診断できます。痛み止めで症状は緩和しますが、労働を減らしたり過体重であればダイエットをして体の負担を減らし薬に頼りすぎないようにします。 保存療法で症状が改善しない場合は骨切り術や人工股関節置換術の適応になります。

3)四肢外傷

(1)大腿骨近位部骨折

骨折する部位により大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折に分けられます。どちらの場合でも歩けるようになるためには手術が必要になりことが多いです.高齢者では骨粗鬆症によって骨の強度が低下おり転倒などの比較的軽微な外力で骨折を起こしてしまいます. 大腿骨頭は回旋動脈という動脈で栄養されていますが頚部骨折によりこの動脈が損傷を受けると血流が途絶して骨頭壊死をおこしてしまいます.従って大腿骨頸部骨折では骨折転位の軽度なものでは骨接合術が行われますが、転位の明らかなものでは人工骨頭置換術が行われます。一方、大腿骨転子部骨折では骨頭壊死の頻度は少なく骨接合術が行われます。どちらの場合でも手術が安定して行われれば早期からリハビリを開始し、積極的な歩行訓練を行います。

(2)橈骨遠位端骨折

閉経後の中年以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているので、転倒して手をついた際に前腕の手首の近くで簡単に骨折を起こしてしまいます。変形が強い場合や関節面に不適合が生じている場合は正しい形にもどす治療を行わないと手関節の痛みや可動域制限などの後遺症を残すことになりますので初期治療が重要です。

スタッフ紹介

宮本雅史 みやもと まさぶみ

役職 院長
専門領域 脊椎脊髄外科
腰痛
専門医など 医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定
  
運動器リハビリテーション医
日本脊椎脊髄病学会指導医
学会役員 日本運動器科学会理事
日本腰痛学会理事
日本脊椎脊髄病学会評議員
東日本整形災害外科学会評議員
院長プロフィール
院長就任インタビュー

松井秀平 まつい しゅうへい

専門領域 膝関節外科
整形外科一般
専門医など 医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会スポーツ認定医
日本整形外科学会リウマチ認定医
日本体育協会スポーツ認定医

川口宏志 かわぐち ひろし

専門領域 脊椎脊髄外科
整形外科一般
専門医など 医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
麻酔科標榜医
日本麻酔科学会認定医